Window cleaning

わたしは窓を拭くという習慣がない。せいぜい大晦日に拭いてたような拭いていなかったような…というところだ。

Home officeが始まった頃、同僚のお客さんが上機嫌で「今日は仕事の前に窓まで拭いちゃったわよ」と電話口に話していたのを聞いてからずっと窓を拭く、ということが気になっていた。最近は買い物に行ったあと買ったものを何から何まで洗い物洗剤を薄めた溶液で拭きまくる。そのあと、今日はとうとう窓を拭いてみた。そして衝撃を受けた。窓を拭いた布巾が真っ黒になっていたのだ。

このフラットに住んで2年。あと3ヶ月で引っ越すというのにわたしはこんなに汚い窓から何を見ていたのか。きれいになった窓からはいつもどおりマンハイムの宮殿が見える。ぽんこつにもほどがあるフラットだが眺めだけはいいこの場所とももうすぐお別れかと思うと時の流れに驚かされる。ドイツがテーマの卒論を書き語学を学びつつ就活をするためにドイツに移住して(移住するつもりはなかったが結果的にそうなった)今は働いている。まだドイツがホームだとは思わない。いつか思う日が来るのだろうか。

リトアニアにいたとき、旅行から帰ってきた友人が空港でリトアニア語が聞こえてきたときにホームに帰ってきた、ただいまと思った、と無邪気に話していたのを思い出した。社会に融合することの難しさを知らないあの無邪気さが眩しくうらやましい。