Record breaking heat in Europe in 2019

わたしは日本の夏を憎んでいる。意味もなく暑い。実家は駅まで25分歩かねばならない。その過程で化粧は全て溶け服は汗で台無しになり駅で電車を待つ間に息苦しい湿気で体力が削られていく。こんな場所に住むなんて正気の沙汰ではない。奈良盆地で生きるためにはエアコンがないと命の保証がない。

そのような環境で育ち、なおかつ2018年には熱中症で全国的に百人近くの人々が亡くなるというような日本出身なのでヨーロッパの一般家庭に冷房設備がないということに気がついたときは衝撃だった。

逆に日本のわたしの寮と実家に泊まったことのある恋人氏はなぜあんなに寒いのか疑問であるようだった。これに対してわたしはいい答えを持っていない。例えばサマーウォーズに出てくる昔ながらの家、ありえないほどに冬場は寒そうである。夏場の風通しを優先した結果冬がおざなりになったのだろうか。では秋田の家はどうか。豪雪地帯だし家の中は暖かいのかと言われるとそうでもなかった。寮の窓の結露は凍って張り付いたカーテンまで凍っていた。グリーンツーリズムがさかんな秋田で現地のNPOでバイトしていたわたしは何軒かの地元のお家に止まることもあったがのきなみ寒かった。建材の問題なのかとも思う。

ところで今年はフランスとドイツで40度を超えるなど歴史的な暑さとなった。わたしは寒さに耐性があるが暑さに全く耐性がない。恋人氏などどちらにもない。気温が37度にまで上がるのは午後2時近くから。その時間帯から我々はただ生産性のない人間と成り果てた。当然暑すぎて寝られなかった。

エアコンを探すと室外機の設置なしでも稼働するものがあるらしい。昨晩までわたしは血眼でそれらを探していたが、喉元過ぎればでもう買う気を失っている。まだ8月にもなっていないが35度を超えるような真夏日が3日続いただけで死にかけの蛸のような有様だったのに。