The movies in summer

夏に見た映画

北京からフランクフルトにむけて飛行機の中で書いた。

女は二度決断する Aus dem Nichts

リトアニアで見たかったけど英語字幕がなかったからそのときは見るのを諦めた作品。日本に帰ってくる飛行機の中で見られた。現代ドイツが真っ向から直面している問題をストレートに描いた作品。悲しみと憎しみと怒りをどこにぶつければいいのかわからない。それぞれが自分の信条に基づき行動し、他人を精神的物理的に苦しめている。誰も誰かの信条を否定することはできない。でも、その信条を以て他者を傷つけるもしくは排除することは許されない。 この作品が描くのはどの社会にもある言うなれば意見の相違による衝突だが、これらの解決/相互理解には途方もない労力と時間を費やすとわかっているのでその道程を思うと果てしなく感じられる。けれどもそのために誰一人犠牲にならないように最善を尽くさないといけない。そうしなければまた憎しみの種がまかれてしまう。テロで一人でも犠牲が出るたびにこんなふうに絶望し悲しむ人が何人もいるのかも思うと胸が痛かった。

バーフバリ Baahubali 2: The Conclusion

父バーフが男前すぎ、ディーバセーナがかっこよすぎ。二人のお話の終焉が本当に悲しかった。白鳥の船に乗っていた頃のように、これからに期待を寄せる二人をいつまでも見ていたかった。二人の結末は悲しすぎる。3時間あっという間の大作。男性の肉体美にも感動した。

カメラを止めるな

友人の強いすすめで見た。絶対にネタバレをしないようにと再三念を押されて見たが、これはたしかにネタバレしてから見ると面白くない!普段ホラー映画ゾンビ映画は見ないので序盤のホラーがよくてきてるのかどうなのかさえもわからなかったが、容赦ない血しぶきで相当胸が気持ち悪くなった。後半は前半の気持ち悪さを吹き飛ばす展開でたっぷり笑わせてもらいました。

銀魂

俳優さんが銀魂のコスプレをしているのを見るのを楽しむ映画。

殿、利息でござる!

これは名作。見てよかったと心から思える作品。ああして社会に怒り、人のために行動する人になりたい。町の人びとが自分にできることをした結果が変化をもたらした。変化を起こす感情はいつだって怒りが原点だと痛感。あの兄弟や兄弟の父親や母親のように得を積みたい…あの一家は今頃菩薩になってると思う。殿が羽生結弦くんにやけに似てるな〜と思ったら本人。品に溢れていてとてもはまってました。阿部サダヲや妻夫木聡の演技も素晴らしかった。

夜明け告げるルーの歌

もやもやする話。キャラクターデザインはねむようこらしく、絵柄がかわいい。主人公よりも主人公のおじいさんの物語に心揺さぶられる。人魚の施設反対派とえびなグループ?との関係性は掘り下げられていないが生々しい。ただ、山の祟とは一体何だったのか。ルーはどうして人間好きなのか?父親はどうして燃え盛っても生きていられるのか?そのへんのエピソードがよく分からなかった。話のテンポは絵のくずし方が四畳半神話大系や夜は短し歩けよ乙女ととても良く似ている。絵も背景もすごく好きだがなんだか好きになれない映画。

ボブという名の猫 A Street Cat Named Bob

社会弱者が貧困のループから抜け出ることの難しさをやわらかめに描いた作品であると感じた。薬物、貧困、人との関係性の希薄さが相互に結びついている。猫はこれらから縁を切り、人同士をつなげる橋渡しをしていた。セーフティネットと人と人とのつながりの重要性がよく分かる作品。ただどうしてこの小説がベストセラーになったのか分からない。社会的需要か、それとも猫需要か…バッタを探しにアフリカへの著者のように、読ませるのがうまい書き方だった、とかあるのかもしれない。